地下鉄銀座線・神田駅の地下鉄ストアは1931年(S6)
地下鉄・神田駅の開業と同時にオープンした。
東洋発の地下鉄・浅草~上野が開通して4年後であった。
地下鉄ストア最盛期には、通路両側に印判、掛け軸、帽子、運動具、トンカツなどの店や
歯科医院、ダンス教室など20数店鋪が並んでいたという。
さらに細かく区切って使っていたので40~50店鋪あったという説もある。
かつて神田青物市場があり旅館、演芸場、生地問屋が並んだ須田町は、
万世橋駅もあり、市電、都電の基点もあり都内有数の繁華街であった。
その全ての衰退で急速に賑わいが失われ、須田町口への利用者、通行人も減っている。

末広町寄りの改札から須田町交差点へ続く
地下道の低い天井にはパイプやコードがむき出しである。
改札を出て右側にはすれ違うのがやっとと言う狭い通路が地上への出口。
須田町一丁目うなぎの名店「きくかわ」の前に出る。

地下道の左側にピンクのタイルがなまめかしい1000円カットの理容室。
しばらく歩くと「テーラー宮崎」とは名ばかりとしか思えない・・・
もくもくと縫い物をしている女性が一人・・・今は修理専門のようだ。

その隣には「佐々木靴店」。

ご主人の佐々木さん。
そこにあるもの全てから昭和の息遣いが聞こえてくる。

振り返るとはるかに改札口が見える。
地上へ続く階段が明るい。須田町交差点への出口。
かつて正面踊り場の場所に「須田町ダンスホール」が栄えた。
この通路には「理髪店」「テーラー宮崎」「佐々木靴店」の3店鋪だけが営業している。
かつて50店もの店がひしめきあっていた雰囲気はとても感じることはできない。
商店街とは思えない現状ではあるが、ここには「昭和」がある。
浅田次郎氏の作品「メトロに乗って」の主人公が営業として勤めていたのが
この地下鉄ストアの「女性下着」店。
地下鉄「銀座線」や地下通路や出入口がタイムマシーンとなり激動の昭和を行き来する。
映画化された作品にワンカットだけこの地下通路が映し出されたのを思い出した。
団長