投稿者: machiblog3 投稿日:
2008/08/09 20:45
神保町は、学生の街といわれている。
しかし、最近では神保町三井ビルなどの再開発により
オフィスが増え、昼休みの主役はもっぱら食を求めるビジネスマンだ。
神保町界隈のランチの特長は、まず全般的に安いこと。
800円もあれば、結構良いものが食べられる。
東京では珍しいご飯お代わり無料の店も幾つかある。
そんな神保町で、最も人気が高い店のひとつに、
すずらん通りの洋食レストラン“キッチン南海”がある。

カツやコロッケ、エビフライといった揚げ物を組み合わせた定食類。
独特のやや黒味がかったルーが人気のカレーライスなど
いかにも“腹を空かしたビジネスマン”が好みそうなメニューが並んでいる。
どれも美味しいので評判だ。

12時前頃から2時頃までは、すんなりと店の中に入れることはまずない。
常時、店の外に数人、多いときは10人近く並んでいる。
やっと店の中に入れても、自分の座りたいような席はまずふさがっているか、
“どこに座ろうか”考えるまでもなく店員に手際よく、
隣の人と肘と肘がぶつかりそうな隙間の席、
一番端っこの席と振り分けられていく。
3,4人のグループで来店したらテーブル席が空くまで長時間待たされるか、
グループが即座に解散?させられ、
カウンター席に飛び飛びにすわらせられること必至だろう。

この店に来る客は皆“昼休みメチャクチャ混む”ことを承知しているので、
ただひたすら黙々と食べ、食べ終わると同時に出て行く。
そうでない客は、店員に半ば促されるように出て行く。
フォークとスプーンを器用に使いわけ、
パスタを片手に昨日のTVやファッションの話題に会話が弾む
女性たちのランチとは全く別世界だ。
近年とみに強くなった女性といえども、
この“神保町界隈のビジネスマンが黙々と空腹を満たす場”に
足を踏み入れることは相当勇気がいることだろう。
「ただ腹を満たすためだけのランチならぬ昼めし」が今日も、
神保町の一角で静かに展開されている。
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(神保町の三毛猫)