ご無沙汰してしまいました。
PCのトラブルで、ニッチもサッチもいかなくなっていた悉皆屋の紺哲です。
なんとか復旧できたので、サァこれから頑張るぞ、と思っていたところに、
能楽大鼓の大倉正之助さんから面白い情報をいただきました。
大倉さんは、大倉流大小鼓宗家故大倉長十郎の長男として生まれ、大鼓という日本古来の伝統打楽器を通じ幅広いジャンルを横断しながら活動されており、
重要無形文化財総合認定保持者でもあります。
昨年の千代田さくら祭では、作家の桐島洋子さんとのトーク&ライブを、千代田区民ホールで開催してもらいました。
その大倉さんはオートバイ・ライダーとしても有名で、現在、バイクのツーリングクラブ「二輪睦 八咫烏」(ニリンムツミ ヤタガラス)の二代目会長としても活動されています。このバイクチーム内に、鼓動隊という大鼓を演奏する別働隊があり、彼らが満月を前に、皇居周辺で奉納演奏を行うというのです。
8月3日pm7:00 桜田門周辺

大倉さんから紹介された、鼓動隊隊員の椋さんから「夕方7時ごろから、桜田門のあたりで準備をしているので、来て頂ければわかると思いますよ」という情報をキャッチ。仕事を終えてタクシーに飛び乗り、一路、桜田門へ。
途中、内堀通りから丸の内のビル群を眺めると、満月にはチョッと欠けたお月様が煌々と光っています。この奉納演奏は、満月になる前にやらなければ意味がないらしい。

桜田門の交差点でタクシーを降り、信号を渡って皇居前広場の方へ向かいます。

お濠越しに、日比谷方面を眺めると絶景のコントラスト。
周辺では、仕事終わりで集まってきたランナーの方が大勢ジョギングをしています。さて、鼓動隊の皆さんは、どこにいるのでしょうか?

桜田門を潜り、皇居前広場の方へ歩を進めると、いました、いました。
大鼓を組み立てている二人の女性を発見。

声を掛けると、白いタンクトップの方が椋さん。
もう一方の女性は、同じく鼓動隊メンバーのマニグリエ真矢さん、フランスの方です。他にも、道路を挟んだ反対側のベンチで深津さん、川井さんの2名が準備をしていました。

さぁ、いよいよ奉納演奏です。
鼓動隊による満月奉納演奏は2年目になるそうですが、グループの各月担当者が場所を決めて演奏するそうです。私は、20年近く前に葉山在住の友人から、「長者ヶ崎で大倉さんという人が、毎月満月の晩に、篝火をたいて鼓を打っているから観にいこう」と誘われて、楽しみにしていたのですが、結局そのときは行けずじまい。今回、ようやくリベンジが叶ったわけです。
この奉納演奏は、「世界平和」と「人々の健康」を願って行うもの。
満月になる直前の月に向かって祈ると、願いが成就されるらしい。
といっても、皆さん忙しい仕事を持っている方々。スケジュールの都合もあり、
今回は12番目の月を前に奉納です。
コスチュームもケース・バイ・ケースで、きちんと時間が取れるときは着物に着替えての演奏になるそうです。

10分ほどの演奏でしたが、皆さん、鼓の響きも声の通りも流石。
皇居一周を走るランナーを横目に、なにか不思議な気持ちに誘われました。
それでは、演奏後に月をバックに記念写真。パチリ。

演奏終了後を、あらためて組み上げた大鼓を分解して収納。
荷物がまとまったところで、一気にお腹が空いてきました。
ということで、目指すは丸の内仲通り。

東京駅へ向かう途中でみつけた、イタリアン・レストランに入ることに。
応援部隊の及川さんや岡さんも合流して、オープンcaféで乾杯!!
日本の伝統的な芸能を、皇居前で奉納してから、十数分後には美味しいイタリアンが食べられるというのも、丸の内ならではの贅沢ですね。
次回の演奏場所やら、ツーリングのことやらに話題が盛り上り、ふと上を向くとビルの陰が雲間に映った不思議な景色。

目線を落とすと、ビルの谷間にうっすらと12番目の月が。
都会の夜景とお月様のコントラストに、伝統芸能の奉納。
東京のど真ん中でも、チョッと目線を変えれば日本古来の自然観を味わえるんだなぁと感じました。
なんだか、凄く得した気分の一夜でした。
by 悉皆屋紺哲