第34回 麹町1丁目その2
麹町警察署は、日本で最初に開設された警察署です。当初は田安門の屯所でしたが、半蔵門濠側に移り、明治15
年に現在地に移転しました。2.26事件の時、警視廰に代わって機能したことがあり、昭和天皇自らが事件の状況把握
のため連絡を取ったという話があります。明治13年開設。同35年現在地に移転しました。
警察署のすぐ横に、明治14年に開設された麹町消防署があります。火の見櫓からの音は渋谷・青山まで聞こえたと
いわれます。このあたりの江戸時代は、防火のための御用地が多く、調練馬場もありました。
明治当初の麹町1丁目の風景は、寂しい場所で、戸数101戸(うち士族3戸)、人力車13輌、荷車4輌、牛4頭とありま
す(「東京府志料」)。足袋・団扇の物産地でもありました。当時の子供たちのトンボ狩りの場所だったそうです。
一方、井戸水が豊富な地域でした。木を落としても、何処かへ流れ、二度と戻らないことから、世に深きことを「麹町
の井」と言われたそうです。

日露戦争当時の麹町通りと半蔵門
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