「江戸っ子だってねぇ」「神田の生れよ」……とは浪花節、『森の石松三十石舟』に出てくる有名な台詞。神田は昔から職人や町人の街として、行きでいなせな江戸っ子たちが暮らしてきた場所。戦災を免れて今なお残る、戦前の風格ある建築物もポツポツと見える。
さて、どこから歩き始めるか?須田町・淡路町一帯は有名老舗が集まる地帯。軽めの食事から鍋もの、デザートまで、何を食べるかでルートを決めるのもいい。一日で全店制覇は難しいが、時代を感じさせる老舗の店構えを見てまわるだけでも、少し江戸っ子気分に。
食後は、そのまま昌平橋に向かって神田川を眺めるのも一興。汚くて臭いといわれた川も随分とキレイになって、癒されるひととき。腹ごなしに、神田の隠れた(?)名物、ビルのアート探しはどうだろう。街の遊び心に、少しにんまり。夢中で歩いていると、いつの間にか日本橋川に出る。橋を渡れば大手町。高層ビルが林立するオフィス街も、実は結構近いのに気づく。終盤は再び神田駅へ。ガード下や西口商店街には味のある名居酒屋が居並ぶ。赤ちょうちんに誘われて「ちょいと一杯」で散歩の締めを。


JR神田駅東口スタート  JRのガード下に居酒屋などが立ち並ぶ「神田ふれあい通り」  昔、お玉が池という池があった辺りにある「繁盛お玉稲荷神社」  岩本町交差点  剣豪・千葉周作の道場「玄武館跡」  東京を代表する老舗が軒を連ねる神田須田町界隈で江戸風情を堪能  神田川沿いに出れば、昌平橋のたもとにテラス席のあるレストランが  「近江屋洋菓子店」でひと休み  「松本家住宅主屋」など古い家屋も残る多町大通りを歩く → 飲食店が多い神田駅西口商店街でちょっと一杯 → JR神田駅西口ゴール


江戸の商家の風情を残す和風建築
◆松本家住宅主屋/文化財
江戸明暦の大火後、須田町・多町は青物商が集められて栄えた。この建物は元青果物問屋の店舗兼住宅で、昭和6年築。切妻造り、平入で、正面は出桁造り。北妻面は窓が少なく防火に備えた造り。国登録有形文化財。地下鉄淡路町駅・小川町駅A1出口徒歩3分。神田多町2-9-3。
おみやげにもぴったり江戸情緒溢れる小物たち
◆神田ちょん子/SIOYA/和風小物・工芸品
神田須田町周辺の老舗グルメエリアからぶらりと立ち寄れる場所に、平成20年7月にオープン。手の込んだオリジナル江戸小物と伝統工芸品が豊富に揃う。地下鉄淡路町駅・小川町駅A3出田町1-13-1。☎03-3255-3990(ちょん子)、☎03-5856-9527(SIOYA)。
優雅さにため息 当時の栄華を偲ぶ
◆丸石ビルディング/文化財
繊細な装飾の施された半円アーチ、ライオンやフクロウの彫刻など、近代ロマネスク様式の美しさは見る価値大。昭和6年築の、戦災を免れた貴重なオフィスビル。設計は日本初の超高層ビル・霞が関ビルの設計者山下寿郎。JR・地下鉄神田駅東口・南口徒歩3分。鍛冶町1-10-4。

おたぬき様など、地元の信仰を集める小さな各社
◆パワースポット巡り/神社・仏閣
神田には願をかけた力士が出世したという出世不動尊や、神田明神の神職が祭祀を兼務する佐竹稲荷神社など、霊験あらたかな神社などが多い。柳森神社は5代将軍綱吉の母・桂昌院が信仰した福寿神(たぬき)を祀る。「他を抜きん出る」ことができ、立身出世や勝負事・金運上昇のご利益がある。

買わなきゃ損!メーカー卸売価格以下
◆岩本町・東神田ファミリーバザール/イベント

江戸時代から続く繊維問屋の街、岩本町。ここで働く人々の家族を対象に始まったバザーが評判を呼び、回数を重ねるごとに拡大。衣類数万点が半額以下に。☎03-3865-5951(実行委員会事務局)。
江戸文化が残る川に清らかさが戻ってきた
◆神田川沿いのテラス/飲食店など

江戸時代に神田上水として造られた神田川。東京の発展とともに汚れてしまったが、最近では清流の復活を求める動きもあり、再生しつつある。昌平橋脇の川沿いには中華料理、スペイン料理などの飲食店がテラス席を設け、神田川の風景を楽しめるムーディな空間になっている。
江戸前の味と情趣 一度は入りたい店ばかり
◆老舗の多いエリア/飲食店など
近代的なビルが取り囲むなか、戦災を免れた神田須田町・淡路町の一角は、江戸時代から交通の要所で、人の往来も賑やかだった。その名残で、今でも「やぶそば」に「まつや」、あんこう鍋の「いせ源」、鳥鍋の「ぼたん」など、昔の佇まいを残した老舗グルメスポットが集中している。
愛されて120年 気取らぬ信頼の味
◆近江屋洋菓子店/喫茶・洋菓子
アップルパイや季節の果物を使ったケーキに定評のある老舗。テイクアウトの包装紙も品がいい。喫茶コーナーのドリンクバーも魅力。地下鉄淡路町駅・小川町駅A3出口徒歩3分。9~19時(日・祝は10時~17時30分・喫茶は~17時)、無休。神田淡路町2-4。☎03-3251-1088。

日本本土、市街地への空襲での痕跡も
◆鎌倉橋/史跡
内神田から大手町に通じる日本橋川の橋。江戸城を築く時、鎌倉から石材をこの河岸に陸揚げしたのが名前の由来。欄干には、戦時中の爆撃と機銃掃射の際に受けた銃弾の跡が30個ほど残る。「まちの記憶保存プレート」の解説あり。☎03-5211-4185(区民商工課)。

旨く安い。老舗居酒屋の粋
◆みますや/居酒屋

創業明治38年。ここで生まれ育った3代目が店を守る。昔ながらの佇まいが残る築70年の店構えは、雰囲気たっぷり。肉豆腐、唐揚げ、さくら刺し、柳川など酒肴が充実し、価格も抑えめ。創業当時からの名物ふぐ料理も800円から。地下鉄淡路町駅・小川町駅B6出口徒歩3分。11時30分~13時30分・17~23時、日・祝休。神田司町2-15。☎03-3294-5433。

神田の新しい江戸前スタイル
◆金多樓寿司(きんたろうずし)/寿司
昭和4年創業。今は3代目がのれんを守る。赤酢でサッパリ味付けたシャリ、ひと手間加えたネタなど、初代からの技を受け継ぎつつ、季節感を楽しめる握り以外の酒肴にも力を注ぐ。昼1890円~、夜はコースのみ8000円~。JR・地下鉄神田駅5番出口徒歩1分。11時30分~13時30分・17~21時(土は要予約)、日・祝休。神田須田町2-2。☎03-3251-7912。

江戸前のそばで一杯もオツ
◆神田尾張屋本店/そば

大正12年(1923)創業の老舗。長野産・北海道産の厳選したそば粉を用い、石臼で碾いて、手打ちしている。本枯鰹節のみを用いてダシをとったツユは甘辛く、まさに生粋の江戸そば。もりそば500円。特大海老ののった天ぷらそば1200円も一押しメニュー。珍しいそば寿し700円なども人気。jr・地下鉄神田駅北口徒歩1分。11時15分~21時、日・祝休。神田須田町1-24。☎03-3256-2581。

国産・自家製・味にこだわる
◆やきとり南蛮亭/焼き鳥
木の温もりが感じられる3階建ての店。道に面した場所に設置された焼き台で絶え間なく焼き鳥が焼かれ、道行く人の鼻孔をくすぐる。新鮮な国産食材にこだわり、鶏は無薬つくば茜鶏を備長炭で軽めに焼いている。6本盛り合わせ900円など。ハートランドの生ビール460円~もビール好きにはたまらない。JR・地下鉄神田駅北口徒歩3分。17~23時、土・日・祝休。内神田3-22-9。☎03-3254-3053。

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一般社団法人 千代田区観光協会